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ドーピーの得意技①


レザークラフトには様々なテクニックがあるのですが、中でも最も特殊で興味深いのが「ウェット・フォーミング」と呼ばれるテクニックです。


日本では「革絞り」とも呼ばれ、一般的に身の回りでは余り見かけませんが、高級な万年筆ケースや葉巻入れ、銃のホルスターやナイフケースなどが作られています。


イタリアではペローニ社の貝のようなデザインのコインケースが有名です。



作り方を簡単に説明すると、道具や体の部位の形に合わせた木型を用意し、主にヌメ革を水で濡らして木型にあてがい、伸ばし、イセ込み、張り込んだ物を小釘で止め、全体をひたすら叩き込みながら形成します。


つるりとした曲面を表現するためパーツは極力少なくすることで、ほとんど継ぎ目無く立体的なデザインに仕立てることができます。






靴を作る際にもこの「ウェット・フォーミング」の技術は応用されています。


高級紳士靴のつま先や踵などの立体的な部分の内部に、硬い革を「ウェット・フォーミング」で形成した芯を入れて美しいフォルムを形作り、その形状をキープしています。


応用技術はあるものの、基となる技術の資料や文献は少なく、厳密に決まった製法や縫製様式はありません。マスターするためには試行錯誤でテクニックを習得するしかありません。




そんな「ウェット・フォーミング」ですが、仕上がりは適度な柔らかさと硬さを備え、曲線的なシルエットが放つ光沢が非常に美しく、革の特性と魅力を最大限に表現することができます。


DWARFMADEの作家・ドーピーはこの技法が大好きで、様々な木型を作ってみたり、時には色を染めてみたり、夢中になって様々な研究と実験を重ねてきました。


平面素材であるのレザーを半球に近い形に変化させることができる不思議。鉄や紙、プラスチックやゴムでも同じことができるかもしれませんが、鉄よりも軽く、紙よりも強靭で、木よりもしなやか。樹脂製品にはない素朴な趣がある。まさに素材の王様!



今までは実験的な小物やディテールの一部にしか活用してきませんでしたが、新作のシリーズは、この「ウェット・フォーミング」のテクニックを大胆に使い、色々な木型を使ってバッグや小物を仕立てようと思います。


まずは帽子の木型を使って丸い底のバッグを作りました。曲面の艶の良さを表現するため、東南アジアに生息するパリーフタマタクワガタというグラデーションが美しい甲虫をモチーフに染色をしています。このグラデーション染色もいつかご紹介できたらと思います。


それでは「ドーピーの得意技」第一回はここまで。

次回をお楽しみに!





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